池田知栄子です。

書籍立ち読みパート4です。

自分が変わると、周りの人たちまで変わって、自分の人生が変わることを知りました。

そして、人生が変わると世界まで変わる。

心浄術ヒーリングは、魔法ではないから一瞬にして夢のような甘い世界が目の前に広がる!!なんてことはありません。

一段ずつ階段を上るように、ゆっくりとした変化を実感します。いったいどんなことが起きて、どんな風に変化するの?

それが、分かりやすく書かれているのがこの本です。

私がヒーリングを受けながら、何かに気が付き、行動を起こせなかったことが行動できるようになり、自分のエゴと向き合い、許すことや受け入れることを学び、たくさん泣いて、笑って、喜びや幸せを見つけた実話です。

 

そして、私をヒーリングしてくれた岡本先生の過去・・・。ドラマのような、先生の人生。

人は、経験すればするだけ心が大きくなるんだな。そんなことを感じます。

 

1人1人が癒され、喜びに溢れることが私たちの喜びです。

この本が、幸せのきっかけになりますように。

 

 

 

『幸せを見つめられるようになってごらん』

≪幸せへの第一歩≫

 

そして、二時間後、施術は終了した。

「わ~すご~い♪こうしたかったんですよ~♪ 最初からお任せすればよかったですね! 本当にすみません。ありがとうございました」

思わずそんな言葉が知栄子の口から漏れた。

「いえいえ。気に入っていただけたようで、僕も安心しました」

「あの店長さん。今お時間ありますか?」

「はい。このあとはご予約が今日は入っていませんので……。何か?」

「実はさっき、カラーリングをしてもらっている時に心浄術のパンフレットを見たんですが、 これって本当なんですか?」

知栄子が手にしたパンフレットにはこのように記載されていた。

 

 

【素敵なエネルギーワーク心浄術のご案内】
究極の美。それは心の内面を浄化することにより生まれます。

そして外面の美しさもまた、より輝きを見せるものです。内面をクリアにして純粋に意図を持てば、素敵に輝いたあなたになります。

自分らしく夢を叶えていきたい、そんなポジティブな変化をお望みのあなたをお手伝いします。

エネルギーワークは、目を閉じてエネルギーを受け取るセッションです。 用意するものはただ一つ、「変わりたい」という気持ち。

これを一週間に一度くらいのペースで二〇回行います。 ふとした瞬間に、あなたは自分のちょっとした変化に気づき、 それを楽しみながら毎日を過ごすようになるでしょう。

そして二〇回を終えた五ヶ月後には、あなたは本来なるべき本質としての自分に気づき、 もともと持っていた豊かな心を取り戻すことができます。

 

「目に見えないエネルギーとか、力とかありえるんですか? まさかこんなの信じられないって言うか、意味分かんないですよ。これをすると幸せになれるんですか?なんで?」

質問だらけだった。

「信じられないという気持ちはよく分かります。実際に僕も最初は信じることができませんで したから。半信半疑で体験したことを今でも覚えています。『エネルギー』は実際に存在して います。
この電話も電波というエネルギーの波です。そしてこの空気も目には見えていませんが、たしかにここに存在していますよね」

マサヨシは鏡越しに知栄子の目を見ながらさらに伝えた。

「ヒーリングを受け終えたクライアントさんたちは、『私に起きたことすべてが必然だったん ですね』と、よくおっしゃいます。

でも、受けられる前には『なぜ自分の過去は苦しくて、つらいことばかりなんだ』と感じら れていた方も多いんですよ。

ところが、ヒーリングを受け終えた方々は、微塵もそうは感じないんです。

逆に、これまで の経験をありがたいとさえおっしゃるのです。

大切なのは、今をいかに生きるかです。そして、それを決めるのも自分なんです」

「私は自分の人生を否定することしかできないです……」 知栄子は少し間を空けて、話を始めた。

「本当は救われたい気持ちでいっぱいなんです。本当に幸せになれるものなら、私だってなっ てみたいです。 でも正直、信じられなくって。目の前の店長さんは本当に幸せそうで、私もそんなふうにな れたらいいなって心から思います。 実は今の仕事もあまり楽しくないし、生きていることにすごく疲れているんです。今も病院 に通っていて、こんなにたくさん、薬の袋を持ち歩いているんです。変ですよね……私……」

急に下を向いて落ち込んでいる知栄子に、マサヨシは優しく問いかけた。

その知栄子の姿と、他界した母の記憶がマサヨシのなかで重なり始めていた。

「大丈夫です。必ず池田さんも『自分は幸せだ』と言える日が来ます。もう少し、お話をした いところなのですが、今日は少し時間が遅くなってしまいました。もしよろしければ日を改め てご予約いただけませんか?」

「ごめんなさい。もうこんな時間になってたんですね」

時計の針は二三時四〇分になろうとしていた。

「池田さん、今度いつでしたらご都合よろしいですか?」

「もしよかったら明日は大丈夫ですか?空いているお時間ありますか?」

「承知いたしました。明日のお話次第では、ヒーリングを体験してみませんか? 実は今の池田さんの状態は病気や仕事が原因ではありません。そのことについて明日詳しく ご説明いたします。明日の予約状況は、夕方一六時三〇分から一時間空いていますので、いか がでしょうか?」 マサヨシはそんなことを言った。

「大丈夫です。では明日、もう一度来ますのでよろしくお願いします」

知栄子はマサヨシから受け取ったヒーリングのパンフレットを何度も読み返した。

今まで、誰かに情熱的な言葉をかけられることがなかった。心に語りかけてくるようなマサ ヨシの今日の話を、ベッドに横たわりながら思い出していた。

 

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